基本原理
俺がリーダーである間は曲げたくない方針がある。
それを忘れないためにも、ここに記す。
人財重視・健康優先・Bランク維持。
この3つだ。
人財重視
3つめの「Bランク維持」との両立には、やはりファン数稼ぎはどうしても避けられない。もしもBランク陥落とあらば、このサークルからは脱退者が続出するだろう。ヘタすりゃAランク以上のノルマ団でもやっていけそうな多くの方々が、ここで楽しんでくれているのだから。
とはいえ、ファン数だけで人をえり好みしていれば、それはそれでよろしくない。俺自身もそれはなるべくはやりたくない。先に述べた、2:6:2の法則がかかわっている。
稼ぐ力が並外れていて、チーム全体の利益を支えてくれる方。
コミュニケーションを大事にしてくれる方。
リアル競馬に精通しており、その話で盛り上がれる方。
自分の推しウマ娘の成長をとことん追求できる方。
これからも長らく楽しんでくれそうな伸びしろあふれる方。
サークルマッチを積極的に企画してくれる方。
間違っていることに対して、いざとなれば諫言も辞さない方。
他にも言い切れないほどたくさんある。
完成されている方ばかりで固めていては、将来は衰退の道を歩むばかりだ。次代に種を蒔きそれを豪勢に咲かせる土壌を整備することもリーダーの重要なミッションのひとつではないだろうか?
ただし、これを甘やかすことと混同してもらっては困る。
それは俺の本意ではない。
健康優先
何事も楽しむにせよ、なるべく健康であってこそのものだ。無理して突っ走って無駄に寿命を縮めてもロクなことがない。人財補充も結構な手間がかかるのだ。
人を使いつぶすリーダーに、いったい誰がついていこうと思うだろうか?
相当昔に読んだ、中谷彰宏氏の本の一説を今でも覚えている。革命家のチェ・ゲバラ氏に対し、革命を成功させるための秘訣は何か?と問われた際の回答が「部下の健康だ」という話だ。
もちろん、ウマ娘の1サークルのリーダーとメンバーは上司部下の関係などではない。誰もが平等である。それでも、このフレーズは決して無視してはならないものだ。コロナだ自粛だセルフロックダウンだ、最後だと言いながらも何度続くかわからない緊急事態宣言と騒がれている今なら、なおさらだろう!
この考えに至ったきっかけの本の一部を抜粋して紹介する。
仲間を動かしていく時に一番大事なことは、イデオロギーでも、ポリシーでも、カリスマ性でもない。部下の健康を考える事です。
(中略)
たとえばあなたの部下が体調を崩して、「病院に行くから今日は休ませてください」と連絡してきた時に、どう言うか。「病院に行く元気があるんだったら会社へ出てこい」という上司がいます。「病院に行く」と部下から連絡をもらっているようでは、その人は上司としては失格です。今、部下が体のぐあいがどうなのかを常に把握してないとダメです。
(中略)
そう考えて、ここのところ、その人は忙しい仕事が続いているとしたら、なんとか休みがとれるように配慮してあげようと思えることです。今まではこれがまったく逆でした。どれだけ健康を害するような環境に追い込まれているかで、その部下が頑張っているかどうかの基準にしていた時代がありました。
(中略)
健康になったら、人間はほうっておいても動きます。病気であることを評価してはいけません。体を壊してまで仕事をする必要はまったくありません。健康を大事にする人の下で、人は一生懸命働きます。
中谷彰宏氏著書「あなたが動けば、人は動く"この人のために"と思わせる50の方法」
その42「相手の健康を気づかう。」を中略して引用。
どうだよ、これ?
実際、ノルマのために馬車馬のごとく他人に鞭打ってどれだけの利益になるというのか。それが悠々こなせるならまだしも、苦痛を強いてまで達成すべきものだろうか。
俺は、そこまでやりたくはない。
そうしろという意見が出たならば「あなたの労力を駆使してここ以上のサークルに行きなさい。そんなことで俺の手を煩わせるな。自分の意思で、今この場で脱退しなさい」と言うだろう。
Bランク維持
ここまでの2つの方針と矛盾すると解釈されるかもしれないが、これは当団存続に欠かせない要素でもある。そのためには、追い出さざるを得ない人を追い出すという選択も必要になってくる。
「人財優先と言ったクセになんだ!二枚舌め!」
落ち着け。よく考えろ。
ただぶら下がって利益を享受するだけのひとりのテイカー(taker)をカバーするために、あとの29人に余計な負担をかけることが人財重視と言えるだろうか?
ウマ娘には少なくとも10000以上のサークルがある。探そうと思えば自分に合ったサークルを見つけるのは根気さえあればなんとでもなるではないか。
それすら億劫に思うようならば、それは人財ではない。ただのお荷物だ。
その判断は、徹底的にデータを集めて冷徹に行う。
正射必中でなければならない。